防衛省 防衛研究所主催による平成21年度 安全保障国際シンポジウムが開催され参加する機会を得ました。「主要国の核政策と21世紀の国際秩序」と題するこのシンポジウムには日本,アメリカ,ロシア,イギリス,フランス,インド,中国の専門家が招聘され、現在の安全保障環境における核兵器のあり方・役割、その将来について多角的な視点から議論されました。
オバマ大統領がチェコのプラハにおける演説おいて「核兵器のない社会」を追求することを表明したことは周知のとおりです。核兵器は広島・長崎で使用されて以来実戦で使用されたことは一度もありません。一方で、核不拡散・核軍縮を目指しているものの、多様化,複雑化する安全保障環境のなかで、北朝鮮の核保有など偶発性の危機に曝され、これまで以上に危険度が増しているのが現状ではないかいかと推察します。
専門的知見から戦略核の方向性・将来的な展望等々が述べられましたが、率直な感想として各国各様の考え方があり、核兵器保有国が存在する限りその終焉は見極められないことを痛感いたしました。核兵器の先行使用という概念は認められないものの、紛争過程の対処的措置として、局所的に使用することを可とする国内法が隣国に存在している現実を考えると、問題の複雑さその深淵を感じざるを得ませでした。
先に行われた狛江市議会 総務文教常任委員会で『「非核日本宣言」を日本政府に求める意見書の提出を求める陳情』が委員会で採択されました。遺憾ながら、各国の正式見解ではなく発言者の私見としながらも、交わされた議論を聞くなかでは日本単独の理念や宣言でこの複雑な問題が解決できる環境にはないことは専門家ではないにしても容易に想像できます。
むしろ、イランや北朝鮮の核保有、核のブラックマーケットの存在を考えると、核の一掃が国際社会共通の理想であるものの、現実的な政治バランスや秩序の保持を考えると忸怩たる思いがすることはいうまでもありません。唯一無二の被爆国として世界の恒久平和のために何ができるのか、2010年の核兵器不拡散(NPT)再検討会議に向け、こうした議論を踏まえながら長期的戦略を熟考することに期待したいと思います。
参加各国の現実的な話を直に聞く機会は初めての経験でありましたが、大変有意義な時間を過ごすことができました。地方自治とは分野が違うものの、国益を守る姿勢や安全保障の重要性を再認識いたしました。